「無望」という新語を考えた

「愛情の反対は憎しみではない。無関心だ」ということがよく言われる。いや「関心の反対が無関心」だろ、と突っ込みたい気持ちを抑えて整理すると

- 愛情 ⇔ 憎しみ
- {愛情,憎しみ} ∈ 関心
- 関心 ⇔ 無関心

という関係が正しいのでは。
というのは壮大な前振り。今回はこの「愛情無関心メソッド(命名:私)」を「希望」という概念に適用してみる。


「愛情の反対は憎しみ」の愛情を希望で置き換えるなら「希望の反対は絶望」となるはず。では無関心に相当する語は?といわれると思いつかない。
思いつかなければ創造すればよい、創造は人間に与えられた可能性の力である。魔王を倒せそうな気さえしてくる。
脱線した。話を戻すと無関心に相当する語として私は「無望(むぼう)」という概念を考えた。無望とは読んで字のごとく望みが無いことである。発音すると無謀と同じなのが良い。
絶望は希望が断たれ失われた状態。つまり希望がどういうものであるか思い描くことができるものの、そこに到達する手段が無くて途方にくれている感じ。言い換えると目的はあるが手段が無い。この場合、手段の見直しをすれば良い。
一方の無望は望みそのものが暗黒のヴェールで覆い隠されていて想像すらかなわない状態。言い換えると目的がはっきりしていない。この場合、目的の見直しをすれば良い。
整理すると

[定義]
- 希望: 目的と手段がはっきりしている
- 絶望: 目的ははっきりしているが手段がない
- 有望: 目的がはっきりしている
- 無望: 目的がはっきりしている

[関係]
- 希望 ⇔ 絶望
- {希望,絶望} ∈ 有望
- 有望 ⇔ 無望

[対応]
- 絶望: 手段を見直す
- 無望: 目的を見直す

RPGで喩えると、絶望とは「ラスボスが強くて倒しかたがわからない状態」、無望とは「バグでラスボス自体がいない状態」という感じではないだろうか。無論、希望は「ラスボスが存在し、倒すためにどういう努力をすればいいかわかっている状態」だ。私もこう在りたい。