本当に魔王を倒した勇者は誰?ファンタジー+ミステリな「魔王殺しと偽りの勇者」がとても良い

「魔王殺しと偽りの勇者」というラノベを読んだ。魔王を倒したと主張する勇者が4人いて本当に魔王を倒したのは誰か?というのを推理するミステリ作品(2巻完結)。以下感想(ネタバレ回避のため多くは語りません)。


実は結構きちんとした作りの作品だった。ファンタジー世界なのでトリックがどうこう、という部分はあまりないけれど4人の勇者の発言は注意深く読むと矛盾が含まれているので、その矛盾を見つけ出す楽しみがある。
主人公が4人の勇者を順番に訪問する形式なので複数の勇者が顔を合わせることがないためそのあたりはちょっと物足りない印象(顔を合わせるとすぐにバレてしまうネタもあるのでやむなしではあるけど)。
犯人を見つけるということに加えて最後に大きな仕掛けがあってとても楽しめた。勇者が魔王を倒す、というとファンタジー世界という感じがするが、最後まで読むとまったく違った印象を受けるはず。一風変わったミステリを読みたい人におすすめ。