この中に1人、ヒロインがいる!?「エンド・リ・エンド」を読んだ

耳目口司先生という個人的に注目している作家さんの新作が出ていたので読んだ。
「エンド・リ・エンド」という作品で、悪魔によってゲームの中に飛ばされた主人公がいろいろする話。


主人公は普通の学園生活に憧れていて、ゲームの世界にずっと居続けたいと考えている。ところがこのゲームには一人だけ本当のヒロインがいて、それ以外のヒロインと結ばれてしまったらその瞬間にゲームが終了してしまう。
本当のヒロインが誰なのかはわからず、隠しキャラが本当のヒロインという可能性もある。主人公は、ヒロインの好感度を調整しつつ、本当のヒロインではないキャラとの告白イベントを回避しつつ本当のヒロインを見つけて結ばれる必要がある。(このへんは、この中に1人、妹がいる!と似た設定だが、あの作品ほど緩い感じではない)
というのが大きな流れ。序盤はありきたりな展開に感じるが、章が進むごとに話が展開していき面白くなっていく。作中ではラノベやゲーム対するメタな視点で語られる部分が多いので、ラノベやゲームが好きな人ほど楽しめるかもしれない。
耳目口先生の前作「丘ルトロジック」は結構尖った作品だったので、それに比べると随分丸くなったような作風。とはいえ徐々に狂気の片鱗が見えてくる感じがある。このへんはまどか☆マギカに似ているかもしれない。
シリーズ物とのことで、1巻が終わった時点では第一章、完。という感じだった。早く続きが読みたいと感じる作品だった。