母関数より生成関数を推したい

Analytic Combinatoricsという800Pもある本がタダで読めるそうで、ちょっと気になっている。
http://algo.inria.fr/flajolet/Publications/AnaCombi/anacombi.html

Combinatoricsというのは組合せ数学のことで、二分木のような組み合わせで表現できるものを扱う数学の分野。で、これを母関数を使って解析的(Analytical)に扱うよという話だそうなのだが、そもそも母関数をよく知らなかったので調べてみた。


数列{a(n)}に対して冪級数Σa(n)x^nを定義することができるが、この冪級数を母関数というらしい。
数列を母関数にすると何が嬉しいのかというと数列は離散値の集まりなので解析的に扱えないのだけれど、母関数という多項式関数にマップすることで連続関数になるため解析的な取り扱いが可能になるのが嬉しい。
解析的に扱うというのは、大雑把にいうと微積分ができるというふうに考えるとよい。解析学では関数の性質を微積分を使って調べるということをするのだが、そもそも微積分できない関数では話が始まらない。つまり解析的に扱えないという。
一般に連続関数でなければ微分できないので、上述した離散値の集まりである数列は解析的に扱えないということになる。

話を戻すと、情報数学でよく出てくる二分木などの性質を母関数として扱うことで解析的に調べてみよう、ということみたい。なにやら面白そうなので読んでみたいなあ→Analytic Combinatorics

最後に。母関数って別名、生成関数とも言うそうなのだけれど英語ではgenerating functionなのだから生成関数の方がしっくり来る気がする。ということで、この記事はああいうタイトルになった。