器用貧乏な魔法戦士と無敵のマジカルプリンセス

RPGでパーティキャラは大きく分けると戦士型、魔法型、魔法戦士型に分類される。このうち戦士型と魔法型は能力特化型のスペシャリストで魔法戦士型はバランス型のゼネラリストである。
パーティを組んで戦闘を行うRPGではバランス型のキャラよりも能力特化型のキャラのほうが使いやすいことが多い。戦士型と魔法型は互いの欠点を補い合えるのでパーティ全体としてみると攻撃力も防御力あって強い魔法も使える状態になる。
一方で魔法戦士型は目立って欠点がないので格下の相手には圧倒的に強いが、本当の強敵相手だとどうにもならなくなる。じゃあってことで魔法戦士型のキャラの能力を高く設定すると何でも出来るようになってしまい、もうこいつだけでいいじゃん、とかバランス崩壊とか言われたりする。
この記事ではこのように扱いの難しい魔法戦士型について書いてみる。


過去の事例
魔法戦士型の事例は有名どころだとドラゴンクエストがわかりやすい。ドラゴンクエスト2はまさしく戦士型、魔法戦士型、魔法型の3人パーティそのもの。遊んだことのある人はわかるように魔法戦士型の人が大変がっかりな性能になっている(もっともこれはバランス調整ミスにも原因があったらしいけど、バランス修正されたリメイク版では今度はやたらと強くなりすぎていて魔法戦士型の問題がよりはっきり出ている感がある)。
ドラゴンクエスト3では魔法戦士型のキャラ(勇者、賢者)は能力を高めに設定している代わりに勇者は主人公専用職、賢者は序盤は使えず仲間に出来る人数も制限されている、というような制限を行なっている。
他作品でも魔法戦士型のキャラに対しては「能力は平凡だが便利な特殊能力を覚える」「能力は平凡だが強力な専用装備がある」「能力は高いが素早さだけ低い」など色々な特徴付けがある。


マジカルプリンセス
で。ここからが本題。ダンジョントラベラーズという作品における魔法戦士型の話。この作品は一見ギャルゲー風味だが実際は結構硬派で難易度高めなゲームとなっている。本作では魔法型の上級職としてウィッチ(攻撃魔法型)、セージ(補助魔法型)、ビショップ(回復魔法型)、マジカルプリンセス(魔法戦士型)の4種類の職業がある。
マジカルプリンセス。愛と勇気と希望の名のもとにホーリーアップしそうな職業。ぱっと見ネタっぽい職業だが魔法戦士型に対するアプローチとして非常に面白いのでここで取り上げたい。
マジカルプリンセスは能力としては平凡。戦士型ほど力はなく、他の魔法型の職業ほど強力な魔法は覚えない。しかしマジカルプリンセスには「マジカルチェンジ」という特殊能力がある。これはTP(技や魔法を使うためのポイント)を大量に消費して一時的に自身の能力を大幅に強化するというもの。マジカルチェンジ中はすべてのパラメータが全職業でもトップクラスの数値になる。
まさしく変身ヒロイン。普段は平凡だがいざというときは圧倒的な能力を発揮してパーティのピンチを救う愛と勇気と希望の戦士。RPGのキャラが一定条件化でパワーアップするというのは本作に限らず昔からあるけれど、すべてのキャラに等しく与えられた能力だったり、主人公を特徴づけるための仕様だったりすることが多かった気がする。本作のように多くの職業のうちの1つである魔法戦士型の特徴付けとして変身能力を取り入れたのは中々面白いと思った次第。


DT2の本編をクリアしたという話
というわけで最近ダンジョントラベラーズ2で遊んでいた。ようやく本編が終わったのでメモ。本作は本編後が本番なので気合を入れて臨みたい。
本編クリア時のメンバーはアリシア(ヴァルキリー)、メルヴィ(ウィッチ)、モニカ(スナイパー)、エルトリシア(マジカルプリンセス)、イスト(エトワール)。全員Lv51。前衛のヴァルキリーとマジカルプリンセスで攻撃を防ぎつつ、後ろからエトワールで敵を弱体化させてウィッチとスナイパーで攻めるのが基本。スナイパーとエトワールは敵の行動をキャンセルできる技があるので地味に便利だった。回復は完全にアイテム頼み。


本作には体験版(http://aquaplus.jp/dt2/special.html#trial)があってデータが製品版に引き継げるので興味がある人は遊んでみると良いですよ。