入門確率過程を読み直し

ルベーグ積分30講」を15講まで読んだのでルベーグ測度について概観することができた。理解の程度を把握するため松原望先生の「入門確率過程」を読み直してみた。


まずは本書そのものの感想。「入門確率過程」はわりと説明がふわっとしているので雰囲気は掴みやすいが細かいことが気になる人には向かない気がする。
で内容。以前読んだときは第7章「極限定理の基礎」で詰まってしまったが、今回は第7章を読みきることができた。通常の測度空間X(B,μ)に対してμ(B)=1という縛りを入れたものが確率空間とのこと。測度空間の枠組みで確率を捉えておくと極限が扱えるのが良い点。第7章後半ではいろいろな収束について証明などがあって、そこで早速、測度論的な極限の考えが使われていた。というか収束にいろいろ種類がある事自体初耳。概収束とか、確率収束とか。。
ルベーグ積分30講」でいうと11講の内容が特に重要な気がした。ボレル集合体(完全加法族)、測度空間、集合の上極限・下極限など重要な概念があらかた書いてある。11講を読んだ後「入門確率過程」の第7章を読むのがオススメかも。
第8章以降もちらっと見てみたが、マルチンゲールの理論あたりで測度論の考え方がガンガン出てきていたので、測度論はちゃんとおさえておいた方が良さそう。で、確率積分や確率微分方程式の基礎となるのがマルチンゲールの理論らしい。先は長いが面白そうだ。
といろいろ大変そうではあるが、証明にこだわらなければ測度論の知識はいらない気がするので、あくまで趣味として楽しむのがいいんじゃないかなと思った。