MF文庫J新人賞「変態王子と笑わない猫。」を読んだ

イラストが好みだったので購入してみた。タイトルに変態とあるが近年では「えむえむっ！」や「僕は友達が少ない」といった変態ラノベが豊富なので別段、変態という部分に独自性はない感じ。
かといって「笑わない猫」こと筒隠月子もヒロインとしては珍しい訳でもない。
では本作のウリは何かと言うと終盤の大どんでん返しではないかと思う。なんとなく予想はしてたけど、身も蓋もないというか何言っちゃってるのというか。MITを何だと思ってるんだ、とか。
これ以上はネタバレしちゃうから言えない。まあ一度読んでみて欲しいです。はい。

本作の著者は文章がわりと上手く、教養があることが伺える小ネタも豊富。文章量もラノベにしては多く、読み応えがある気がする。
ただ必要以上に婉曲な表現が多い。これは本作のキャラの設定にも関わってくるので文章にけちをつけるべきではないと思うのだけど、要所々々ではもうちょっとハッキリした描写をしてもいいのではと思った。こういうキャラ設定なら3人称でも良かった気がする。
おまけ。本作は俺妹小説みたいに、イラストのラフスケッチがついている。イラスト買いだったので、ちょいうれしかった。
どうでもいいけど、作者の名前「さがら総」ってフルメタのあの人からとったのだろうか。