「はじめよう位相空間」がとても面白い
機械学習(というかカーネル)の論文を読んでいると突然ヒルベルト空間とかでてきて混乱する。
そんなの知らんわ!と言ってWikipediaを調べると距離空間とかバナッハ空間とかいろいろ出てきてさらに分けがわからなくなる。
で。結局、位相空間というのがそれらの最も基本的なやつだということがわかるのだが、肝心の位相空間がなんなのかわからない。位相構造の入っている空間とか説明があるが、そもそも位相構造とかよくわからなくて調べていると開集合がなんちゃらかんちゃらでもういいやという気分になる。
そういうわけで位相空間には苦手意識があったのだが、本書をざっと見てみたら一気に見通しが良くなった。これはいけてる本だと思ったのでメモ。
本書は最初の章でユークリッド幾何と位相幾何の違いを解説してくれていて、位相的な性質というのがあることで高校数学で習う「最大値・最小値の定理」「中間値の定理」が成り立っているという説明がある(というわけで、ここまでで連続という概念と関係があるっぽいことがわかった)。
そして位相的な変形というものをユークリッド空間上の距離を使って説明している。そして実は距離よりもっと本質的な概念である開集合というものがあれば任意の空間に対して位相的な変形が表現できるよという話になる。
というわけで集合に対して開集合が定義された空間が位相空間らしい。最後には「最大値・最小値の定理」「中間値の定理」を位相空間を用いて一般化して終わり。という感じだった。
まだざっとしか読んでいないけれど非常に見通しが良い本に感じた。最初に読む一冊として良いのでは。
ちなみに本書の「問」には解答が用意されていて「演習問題」には解答がない。とりあえず問を解きつつ理解を深めるのが良さそう。