転職します

個人的な報告で恐縮ですが本日を以って今の職場(以下、現職)の最終出社を迎えました。


「ここはルイーダの酒場。旅人たちが仲間をもとめて集まる出会いと別れの酒場よ」
私にとって現職はルイーダの酒場のような場所でした。多くの優れた人々との出会いは私にとって大きな刺激となりました。私が必死で乗り越えた壁を、いとも容易く乗り越えて遥か彼方をスキップしているような凄まじい技術力を持ったエンジニアに囲まれて非常に大きな刺激を受けました。具体的には「ちょっと暇だった」と言って片手間で実用的なダブル配列を実装してしまうような神ばかりでした。
私は学生時代に自分の力の限界を感じてしまい、無意識の内に目標を小さく持ってしまう癖がついていました。しかし就職してからは周りがものすごい力を持った方ばかりでしたので、何もできなければ直ちに死ぬだけでした。最早頭が悪いとか言っている場合ではありませんでした。高い技術力を身につけなければ死ぬ。お前は死にたいのか?無残に全てを奪われてそれでも笑っていられるか?
そんなわけありません。私は死にたくなかったのです。とにかく自分の限界を超えるためにあらゆる事に挑戦しました。そして限界など無いことに気づきました。たとえ小さくても確実に力は伸びていきます。「自分はできない」という心の壁を乗り越えればできないことなどそうそうないのです。お陰様でなんとかこれまで生き延びてこられました。出来の悪い私を暖かく見守って下さった皆様には感謝してもしきれないくらいです。


すべてはサービスのために
私の専門は自然言語処理です。では自然言語処理で優れた研究をすれば仕事になるでしょうか。研究職でも無い限りは研究が直ちに成果となることはありません。私はwebエンジニアなのでwebサービスを利用するユーザを幸せにして且つ会社の利益に貢献する必要があります。そんなわけで私は就職してからというもの、サービスをより良くするために自然言語処理の技術をどう使うか?ということをずっと考えていました。そして充分に結果を出してきたつもりです。
仕事は人です。振り返ってみると大きな結果が出た仕事では関わった人それぞれが良いものを作ろうとしていました。ですので自分自身が相手にとって「良いもの作ろうとしている人」である必要があります。それは技術者としては問題解決のための弾をできるだけ多く持っていることだと思います。それには専門分野では深い理解を、そうでない分野にも広い知識を必要とします。世の中には便利なツールが多く存在しますので、十分な知識があれば適切に労力を削減しつつ本質的な問題解決に取り組めると思います。
というわけで大切なので二度言います。仕事は人です。私と一緒に仕事をして下さった皆様、本当にありがとうございました。皆様のお陰で今の私があります。就職してからは世の中にあふれるもの、ひとつひとつが生み出されるために驚くほど多くの人のがんばりがあったのだなあ、ということを深く感じるようになりました。ゲームが発売されたりしても「本当に発売された!なんという奇跡。」などと思うようになりました。アニメが最終回を迎えると「本当に完結した。すごい!」と思うようになりました。就職したお陰で何気ない日常が如何に奇跡に満ちているかを実感しました。


というわけで
というわけで転職します。現職でまる6年働き、30歳という区切りの良い年齢になったこともあり、「自然言語処理でサービスを良くしたい」という自分の目標を踏まえて最適な環境は何なのかということを充分に考えた結果です。最後まで読んで下さった皆様、今後関わることがありましたら何卒よろしくお願いいたします。